「Dark White」のデジタル紙芝居を公開

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 前回の記事で書いた通り、自作ノベル「Dark White」を完結させて一区切りついたのですが、このままでは完結して過ぎ去っていくだけなので、同作を使った新しいコンテンツを作り始めました。

 その名も、「デジタルペーパーシアター」。

 ……なんてそれっぽい名前をつけましたが、言ってみればただのゲーム性を排除したビジュアルノベルなんですけどねw
 自分でアニメにするのはさすがに厳しいし、ゲームにするにはちょっと向いてないようなシナリオなので、読むアニメのようなイメージで作るビジュアルノベルというわけです。

 しかしこれ、作っていってみると意外といい部分があるというか、自作の世界観やストーリーのひとつの表現としてアリなんじゃないかな? と思ったので、少し簡単にまとめておきたいと思います。
 まぁ、itchで連載形式で公開していきますので、その宣伝も兼ねまして。

 

基本形はビジュアルノベルだけど、利点がある

 敢えて「デジタルペーパーシアター」と銘打ってはいるものの、前述の通りゲーム性の無いビジュアルノベルにほかなりません。
 別段、真新しい表現でもコンテンツでもないです。

 しかし、自作の世界観を表現する一つの形として、これはアリだと感じました。
 その理由はいくつか挙げられるのですか、特に以下の様な点が作る側として利点だと感じました。
 

・ゲーム性排除により、好きにストーリーを表現できる

 ノベルADVの場合は、選択肢による分岐やシナリオの着地点のバリエーションを考慮する必要性、アイテムや謎解きを駆使したプレイヤーの介入を考慮する必要がありますが、ゲーム性を排除する事によって物語だけを展開させていくことができます。
 分岐・派生といった観点では展開の幅が狭まって自由度が削がれる様に思えますが、辻褄を合わせて複数の着地点を考慮しなくて済むのは、ある意味で自由度が高いとも言えると感じます。
 

・動的なビジュアル表現と、テキストの強みが共存

 「Dark White」の作成ツールはRPGツクールmzを使っていますが、ゲームエンジンですのでピクチャを工夫して幅の広い表現が可能になります。
 そして、動的ビジュアル表現と音、セリフやナレーション的な文脈のテキストを複合して見せられるので、この点はかなり強みだと思います。

 ノベルの様にテキストだけに限らず、マンガのようにコマ割りをしなくてもよく、アニメの様にモーションをこと細やかに描く必要もありません。
 しかしそれでいて、それぞれの要素を組み合わせて表現することができるので、マンガとアニメの中間的な視聴感覚を狙うことができます。
 実際に作ってみると、音や一枚絵の視点移動で動きを表現する事により、まず物語のテンポ感がかなり向上する事を実感しました。

 そして、アニメでもゲームでもありませんので、マンガやテキストノベルの様に読み手のペースで進めてもらう事が可能になります。
 これは、表現の幅を広げつつも気軽に読めるストーリーモノとして、中々いいアプローチなんじゃないかなと思います。

・案外と、制作における時間的コストが低い

 前述の項目でも言える利点ではありますが、基本的にはシーンごとの一枚絵イラストを工夫して見せる事によってストーリーを表現していくので、アニメより圧倒的に作画コストは低く、マンガの様にコマ割りを考えなくてもいいので意外と早く進めていけます。

 もちろん、それは作画コストを抑えているためでもあって、一枚一枚を描き込んでいけば当然ながら時間がかかります。
 しかし、ワンシーンだけで見せるイラストなわけですから、引いた目で見て一定のクオリティが保てていればいいんじゃないかと思います。
 そういった労力を抑えた作画であれば、そんなに過度な時間をかけなくても済むというわけです。

・視聴する労力を抑えられる

 ストーリーモノを見てもらう上で障壁となり得るのが、「読む」「遊ぶ」といった視聴者に求める行動で、特にテキストノベルはそれだけでただ「見てもらう、触れてもらう」という事が厳しいです。
 個人創作は、どれだけ宣伝していても食指を伸ばしてもらう事がそもそも難しいもの。
 認知されても、興味を自然に持ってもらえる事はほぼ無いと考えた方がいいと思います。

 その上で作品を見てもらうには、どれだけ視聴する事へのハードルが低いかという事と、パッと見で分かるビジュアルのインパクトだと思います。
 そして、そこから物語の佳境に入るまで進んでもらうには、やはり視聴者に求める行動の軽さが重要なんじゃないかと。
 要するに、「面倒くさい」と思われる事が一番の障壁。

 その点では、ビジュアルによる動きや音でも表現できるデジタル紙芝居は、割と有用な表現だと思います。
 テキストはほとんどセリフだけになりますし、視聴者の行動もクリックして短文のセリフを読み進めていくだけです。
 もちろん、セリフ内容が重くて長かったりすると離脱される事になると思いますが、テキストノベルやマンガよりハードルは低いと思いますので、より見てもらいやすい表現方法ではあるんじゃないかと思います。

デメリットだと思う点

 ゲームとは違う、マンガとアニメの中間的視聴感覚を狙うデジタル紙芝居。
 ここまではメリットと考えられる部分を書きましたが、やはりデメリットとなる部分もいくつかあります。

・明確な公開先がない

 ティラノビルダーを使えばノベコレで公開するのが一番妥当かもしれませんが、それでもノベルADVを求めている人が中心だとは思います。
 そして、RPGツクールなどをエンジンとして作成した作品は、たとえ違うメディアとして開発したとはいえゲームなわけです。
 そのため、ゲーム配信サイトで公開していく事になるわけですが、求められていないコンテンツなんじゃないかと思います。

 PRの仕方もありそうですが、公開先の選択肢の中にピッタリと合致するモノはありません。
 動画に撮ってYouTubeなどで公開ってのも一つの手かもしれないですけど、それだとクリックでマイペースに読み進められるという利点が意味なくなりますしねw

 公開先の選択は難しく、PRにも工夫が必要です。

・表現規制は厳しくなる

 これは前項にも関する事ですが、暴力表現や残酷表現、性的表現に関しては、ゲームという媒体で公開するとなるとノベルやマンガより厳しくなります。
 実際にはゲームではないんですが、公開する場所はゲームのプラットフォームなので、規約や規制はそれに準ずる必要があります。
 そして、プレイヤー(視聴者)の介入ができるコンテンツであるゲームのプラットフォームである以上、そういった過激表現の制限は厳しくなるというわけです。

 特に、僕の作風としては、暴力美学や哲学的思想、戦闘における残酷さや理不尽さを克明に描くというポリシー的なものを持っていますので、ここを制限されると辛いものがあります。
 もちろん、過度なスプラッターをやっているわけではないですし、暴力描写や残虐描写を楽しむという趣向ではないのですが、スポーツみたいに戦闘を描く事が嫌いなので、バトルモノは必然的にグロくなってしまいます。
 とはいえ、規約等には準ずる必要がありますので、ボカシなどを入れたり影で見えない様にしたり、ある程度の工夫が必要になります。

そんな中で選んだ公開の形

 このデジタル紙芝居の制作は、手軽にプレイしてストーリーに入ってもらいたいというのが最大の目的なので、まず第一にブラウザプレイを可能としたい。
 そして、連載の様に定期更新が可能で、制限規制も比較的緩いプラットフォームがいい。
 それらを考慮して選んだのは、itchとなりました。

 itchは海外のプラットフォームという事もあって、ゴア表現などには寛容です。
 そして、日本でいうプリシーみたいな感覚でアップロードと更新が可能なので、連載形式での展開はここしかないといった具合。

 Dark Whiteは欠損描写や大量出血、殺戮シーンなどが多々あり、恐らく他ではバンされてしまうんじゃないかと思いますので、とりあえずブラウザプレイはitchのみ。
 チャプターごとに1タイトルとして出していき、BOOTHのDL版はチャプターが終わってからリリースにする予定です。

 なお、ダウンロード版もPixiv運営のBOOTHくらいでしか配信できないんじゃないかなと思います。
 ふりーむさんとかだと、審査通らなそう。

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